次の個展は福岡で行われることになっており、一雄はアヤノが退院して来てくれるのを待ち望んでいた。だがアヤノは福岡の個展が開かれる前に、息子の成功を見届けて79歳の生涯を閉じた。
一雄さんは、今頑張る原動力に一番なっているのは母親であると、涙を見せた。
今年の5月には自分だけのアトリエ「赤崎一雄アトリエ・ステーション」を開いた。そこにはひときわ目を引く大きな作品がある。「野良に贈ったパンと迷夢」。マジシャンが野良犬や野良猫に魚や肉を出して見せるというこの作品には、落ち葉を魔法のように芸術に変えた一雄さんの人生が重ねられているという。
そのマジックの種明かしは、母が教えてくれた不屈の精神なのかもしれない。
現在一雄さんは、全国で葉彩画の教室を開き落ち葉の魅力を広めている。
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